開催直前!SXSWを100倍楽しむコツ〜GO SXSW JAPANレポート

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27.Feb.2013

テキサス州オースティンで開催されるミュージック、フィルム、そしてインタラクティブ部門のフェスティバル・カンファレンス『South by Southwest(以下、SXSW)』。今年、2013年3月8日に開催される『SXSW2013』にも、世界中のファンからの期待が、もう最高潮に高まっています。

今回はSXSWを世に広める日本のエバンジェリスト的存在、テレパシーの井口尊仁さん(元・頓智)、SXSWアジア事務局のオードリー木村さんらを招き、SXSWを100倍楽しむためのOpen CUを開催。そのレポートを、チェックシート方式でお届けします。このレポートのチェックポイントをすべて網羅すれば、あなたのSXSW2013は、史上最高の体験となるでしょう!
text:森オウジ

SXSWに注目が集まるわけは?

日本ではまだ馴染みのないSXSWですが、いわばIT界の“TED”とも言われるほどに世界的影響力の強いイベントです。 特に「インタラクティヴ・アウォード」は、IT界に絶大な先見的影響力があることで知られ、過去にはPinterest、Twitter、GroupMeなどが受賞し、その結果はご覧のとおりです。つまり、この賞の受賞は、IT界でのブレイクスルーのチケットと言っても過言ではないのです。近年、ますますこのインタラクティブ部門はスタートアップベンチャーのアイデアを発表する機会として大きな注目を浴びています。

もともとSXSWはミュージック・フェスティバルとして発足し、あのノラ・ジョーンズをメジャーに押し上げたのもSXSWだったというのは広く知られています。

SXSW会場の様子

blogging4jobs.comより

日本からも多くのベンチャー企業、クリエイティブ業界、アーティストなどの参加が予定されています。また、ロフトワークも自社の展開するFabCafeを世界に発信する機会としてSXSW2013への参加を決定しています。さらに、新たな展望であるFactory.orgのビジョンなどを発表する予定です。

補足:さらに詳しくはGARRER HUCK「頓智ドット 井口尊仁が語る、日本人がSXSWに行くべき3つの理由。」なども参考になります。

Notable Programs Selected by Takahito Iguchi

ではさっそく、テレパシー・井口尊仁さんにSXSW2013の見逃せないプログラムをご紹介いただきます。井口さんは「参加すると人生が変わる」語り、自身もセカイカメラを世界に知らしめた舞台として、SXSWを広める日本のエバンジェリスト的な存在です。

telpathyの井口尊仁さん

井口さんがセレクトした「SXSWというのは何千何万の出会いがある、イベント、パーティ、カンファレンスの宝庫です。あまりに規模が大きすぎて、全貌を知っている人はいませんし、回り切ることもできません。なので、インタラクティブの中でこれ見ずして死ねない」という1033のプログラム中の珠玉の11個をセレクトしました。

□Elon Musk (Spacex)
Elon Muskは民間の宇宙飛行機の開発を手がけています。そして先鋭的な電気自動車メーカー・TESLAのファウンダーでもあります。彼は今回、キーノートプレゼンを行います。宇宙開発を手がける民間人であり、電気自動車のパイオニアでもあり、最新の事業計画では2020年台に火星に20万人を移住させる計画が発表しています。そのあたりのディテールも知れるプレゼンになるでしょう。

□A New Paradigm (Peter Thiel, Founders Fund)
Peter Thielは、まだMySpaceに惨敗していた頃のFacebook、つまりただの学生のマーク・ザッカーバーグにベンチャーキャピタルとしてお金をドドンと出資したことで知られています。PayPalのファウンダーでもあることから、これからのソーシャルメディアの未来について興味深い話を聞けるでしょう。

□Andy Rubin Interview with Guy Kwasaki
AndroidのファウンダーであるAndy Rubinに、アップルのエバンジェリストとして一番有名なGuy Kwasakiがインタビューします。Guy Kwasakiは超辛口で知られることから、これからのAndroidについて、掘り下げたインタビューになるでしょう。

□Breaking the Mold with Meaningful Design (Tony Fedell Nestlab)
AI研究で知られるNestlabのCEO、Tony Fedellです。彼はiPodのデバイスを最初につくり、Steve Jobsに持ち込んだ影の立役者。既成概念をくつがえすデバイスデザインについて語ります。

□Dave Morin Presentation
Pathのファウンダーで、Facebookのファウンダーでもあります。彼は「プレゼンテーション」というテーマで話します。つまり、何も準備していません。ふざけたやつです。SXSWのプレゼンが面白いのは、プレゼンターの前にマイクスタンドが立てられること。聴衆は、そこで言いたいことを直言できるわけです。そこでいい質問すると、仲良くなれる。このプレゼンではまさにその醍醐味が味わえるでしょう。

□Get Ready For a World Where Everything Is Computed (Stephen Wolfram, Wolfram Research)
Stephen WolframはiPhoneに搭載されているsiriの人工知能をつくっている人物。世界の森羅万象は計算可能だという狂った心情で動いており、去年も素晴らしいスピーチを披露したことから、今年も期待が高まります。

□Go Fund Yourself (Slava Rubin, Indiegogo)
今回のSXSWの特徴はメーカーズトレンド。その中でも大注目が、キックスターターよりも先にIndiegogoでマイクロファンディングのきっかけをつくった男、Slava Rubinのプレゼンです。

□Insights About Innovation (David Sacks Fireside Chat)
PayPalのCOOであるDavid Sacksのスピーチ、というだけで必聴でしょう。

□Mapping Out the Future of Photography (Ren Ng, Lytro Inc.)
Ren Ngは、Lytroという焦点をあとで変えられる、ライトフィールド方式の非常に画期的なカメラをつくったことで知られています。技術もアイデアもすばらしい。未来の写真をマッピングするという視点で話をしてくれます。

□Open Web Platform: Hopes & Fears (Tim Berners-Lee)
あのTim Berners-Leeに会えます!まさにWebをつくった男が語る、Webの未来についてです。必聴ですね。

□The New Serendipity? (Joi Ito)
ロフトワークの投資家である伊藤穣一がMITを引っさげて何を語ってくれるか楽しみです。

井口さんは、これ以外にオフィシャルではないイベント、パーティもたくさんあります。eventbrite.comで探せるので、スケジュールに役立ててください。そして最後に、オースティンに来たら忘れてはいけないものをピックアップします!

  • オースティンには世界ランキングベスト10のテキサス大学があります。彼らと仲良くなるといろいろ面白いことが聞けますし、もし出店を考えている人はアルバイト候補にぜひ。日本のコミックやゲームやアニメの話をすると仲良くなれます。
  • 街ではカウボーイをよく見かけます。交流してみましょう。
  • オースティン内の会場間は歩けますし、タクシーもあるけれど、人力車もあるのでご利用を。ただし、安くはありません。思い出作りに。
  • DL JARDINE’Sのバーベキューソースは本当にすばらしい。あらゆる肉類、野菜類がおいしくなる。絶対買ってください。

 

質疑応答に対応する井口さん

LET’S ENJOY SXSW AND KEEP AUSTIN WIRED SXSW2013 

 

続いて、SXSWアジア事務局のオードリー木村さんから、SXSWを楽しむための実践的なアドバイスをいただきます。「私はグルメを含めた実際のSXSWでの実践的ライフスタイルについて提案します。街全体でイベントが開催されているので、現地ではいろんなハプニングが起こります。それに未然に対処できるティップスをご紹介します」とセッションはスタート。

□最優先事項
ホテルの予約は最優先。コンベンションセンターに歩いて行けるホテルは一瞬で埋まる。

<会場移動>

  • まず、1にも2にもポケットガイドをゲットすること。タイムテーブルやフロアガイドもついてくる。
  • 主な会場はコンベンションセンター。この周囲の会場は、だいたい歩いて行ける。
  • AT&Tカンファレンスセンターが少し遠いので、急な移動が必要な場合はキャンパスシャトルバスを使う。
  • シャトルバスは空いている。しかし、ホテル行きのものは混雑する。

<必需品>

  • SXSWは、登山と同じ装備で行くのが常識。
  • スニーカーは3足持参する。SXSWの移動は登山レベル。毎日スニーカーを変えて筋肉を疲れさせないようにするのが通。
  • カロリーメイトは必ず持参する。朝9時からはじまるものもあり、意外と食事の時間がない。

<グルメ・ステイ>

  • カントリーヤードマリオットというホテルがあるが、朝はここにトレーラーが出ており、ブレックファストを無料で配っている。コンベンションセンターに行く途中でゲットするとよい。
  • ドリスキルホテルの中にあるカフェ&ベーカリー1886がオススメ。13ドルでブレックファストが食べられて美味しい。レディーバードオムレツはジョンソン大統領のファーストレディーの名前を冠したオースティンの名物。
  • 一杯飲みたいときはCEDAR DOOR 201が近くて便利。メキシカンマティーニが飲める。
  • EAST SIDE KINGは、アメリカの人気料理番組「トップシェフ」のシーズン9で優勝したPAUL QUIのお店。グリルチキンなどの肉料理がとくに美味しい。オースティンに来たら必ずいくべきお店。
  • オースティンのイーストは今若者が集まるスポット。ここに、ホールフーズというオーガニックスーパーがある。オースティンがヘッドクオーターで、ここに本店があり、朝昼晩でメニューが変わるデリカテッセンのイートインがある。少し遠いが、美味しさには変えられない。
  • お酒は必ずお店の中で。外でビール飲んでたらパトロール中のポリスにつかまる。
  • オースティンの治安はよい。
  • 日本のようにビニール傘が売っていないので、事前に折り畳み傘やカッパを用意する。
  • 電化製品も必ず日本から持ってゆく。少し遠方まで買いに行くと、タクシーが捕まらなかったりで半日ロスすることも。
  • 両替所もほとんどなく、半日費やしてしまう可能性があるので、必ず両替は空港ですませておく。

 

「これでみなさんもSXSW通になれるはず!この世界の祭典に、万全の体制で臨んでくださいね!」

 

いかがでしたでしょうか。上記のチェックポイントを網羅すれば、プログラムも、グルメも、そしてステイも必需品も、万全の状態でSXSW2013に行くことができますね。木村さんのTipsにもありましたが、まだホテルの予約が済んでいない方は、まず予約をしてくださいね。

2つのセッションの他に、海外のコンベンションやセッションでの振る舞いや準備について、KeiShimadaさんからのレクチャーもあり、海外に参加者からのアピールタイムもありと盛りだくさんの2時間はあっという間に過ぎました。

 

keishimada

 

井口さん、木村さんを中心に、SXSWに参加する人を対処としたFacebookグループ「GO SXSW JAPAN」も展開。参加する人も応援する人もどんどんジョインしてみてほしい。

 

SXSW参加者にお知らせ
3月11日これからのビジョンを語る「MoonSpeech」パーティーを現地で開催します!

MoonSpeech-party

 

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