”泊まる×○○”で新体験をつくる合宿型ワークショップ「Beyond the Hotels!」レポート

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30.Apr.2015

ロフトワーク初となる1泊2日のOpenCU「Beyond the Hotels!」が、先日2015年4月3日(金)の夜から4日(土)の朝にかけて、「KYOTO ART HOSTEL kumagusuku」で開催されました。”泊まる×???”のアイデアを深夜まで考え抜いて生まれたアイデアとは?ギュッと詰まった時間をレポートします! (written by ロフトワーク 横浜)

 

“泊まる”の可能性はどこまで広げられる?

今回の開催場所、”KYOTO ART HOSTEL kumagusuku”。

最近、何かと目まぐるしく変化している様子の”泊まる”事情。AirBnBの普及やゲストハウスの増加、東京オリンピックに向けたホテル建設…
そしてこのイベント告知で初めて明かした、ロフトワーク烏丸移転&泊まれるオフィスへの進化計画…(詳細は乞うご期待!)
「”泊まる”の可能性はどこまで広げられるのか?」
ということで今回は、”泊まる”と”何か”を掛け合わせて最高のサービスを考えるOpenCUを、ゲストハウスオーナーや旅行メディアを運営する”泊まる”のプロから、百貨店バイヤー、舞台芸術制作、ライターさんまで、様々な個性を持った参加者の皆さんと一緒に1泊2日で開催してきました!

”KYOTO ART HOSTEL kumagusuku”の内観。

開催場所は「KYOTO ART HOSTEL kumagusuku」。「アートホステル」という名前の通り、「泊まる」と「アート(展覧会)」が融合した、いま京都で人気の宿泊型アートスペースです。
今回はここで、夜の19時から翌朝の11時まで、一晩泊まりがけのワークショップ。
泊まれるということで、東京や福井、高松、鳥取など全国各地からお越しいただきました、スタッフ一同感謝しきりです!

 

“泊まる”×”宇宙”…?

金曜の午後19時、ロフトワーク岩崎からのごあいさつとオリエンテーションとともにイベント開始。
烏丸オフィス移転計画や、先日記者会見を行った「株式会社飛騨の森で熊は踊る(通称ヒダクマ)」のお話をさせていただきました。

それが終わったらまずは個人ワーク。
青い付箋には「泊まる」から連想される魅力や面白さを、黄色い付箋には自分の特技や好きなことやお仕事に関する内容を、思いつく限りどんどん書き出してもらいます。
最後はワークシートに、青い付箋の内容と黄色い付箋の内容を掛け合わせて、自分だけの”泊まる×???”のサービスを考えてもらいました。

全員が書き終わったら、ワークシートを壁に貼り出して投票タイム!
他の人のワークシートを見てまわり、気に入ったアイデアに一人一票、投票シールを貼ってもらいました。
スタッフも投票に参加させていただきましたが、どれも面白そうでなかなか決められない…!

投票に迷って壁の前をぐるぐるする参加者の皆さん

 

迷いに迷った投票タイムの結果、選ばれたアイデアは…

『たまには一晩、宇宙の話をしてみよう』
『泊まれる図書館』
『丁寧な朝ごはん』
『京都の”平熱”に会いに行く』
『泊まれる映画館』

の5つ!
「一体どういうこと…」というものもありつつ、このアイデアごとに5つのグループに分かれ、アイデアの種をグループで育てていただきます。

その前に、お泊まりの楽しみといえば晩ごはん!
今回は”モノづくり精神をスパイスと共に注ぎ込み、愛される唯一のカレーを作り出す”という出張カレー屋「森林食堂」さんに来ていただきました。しかも”泊まる×カレー”という無茶ぶりで考えてもらった、今回だけのオリジナルメニュー!

”good night カレー”。good night、グッナイ、グナイ、具無い…ということで具が無くなるまで煮込んだカレー!

 

泊まりの夜にわいわい言いながら食べるカレーほど美味しいものはない。(筆者調べ)
お酒も解禁して皆さんだんだん陽気に。食べ終わったらいよいよグループワーク開始ですよ!

 

修学旅行スタイルでグループワーク

ワークスペースは、なんと2Fの宿泊部屋。各部屋に分かれて、ベッドの前に座ってみんなであれこれ話す光景は、まさに修学旅行…。どの部屋もだんだん盛り上がって大きな笑い声が響いていました。

今回のグループワークのゴールは、”各サービスのポスターを作る”というもの。
サービスの内容を具体的に詰めるのはもちろん、ポスターの掲示場所も自分達で考え、何をどんなビジュアルでどう伝えるか、1から考えていただきます。
翌朝、グループ長が発表するまでにアイデアをまとめて完成できるのでしょうか…?

 

一旦終了するも…まだまだ終わらない深夜作業タイム

ワークショップ開始から1時間後の22:00、kumagusukuに泊まらない方はここで一旦終了。
弊社代表の諏訪からごあいさつと、”泊まる”についてのお話をさせていただきました。

さらに、翌日参加できない方もいるので、参加者全員で記念撮影!

お酒が入りグループ内での仲も深まり、皆さん良い笑顔

 

皆さんほろ酔いで解散…と思いきや、ほとんどの方がその後もグループワーク続行!
「図工の時間を思い出す」「めっちゃ楽しい!」と大いに盛り上がって、模造紙を切ったり貼ったり折ったり絵を描いたり…

kumagusukuのオーナーさんが助っ人として描いてくれた絵のクオリティが高すぎる件

 

最終的に半ば無理矢理に撤退したのは12時過ぎ(!)頃でした。各グループこだわり詰まったポスター、翌朝の発表が楽しみです!

(おやすみなさい…)

 

翌朝、いよいよ発表タイム!

朝の9時、おはようございます!
1Fで待っていたのは、kumagusukuのスタッフさんが前日から仕込んでくださった山菜尽くしの朝ごはん。超美味しそう…。(私は食べられず)

 

ごはんを食べて最後の準備が終わったら、いよいよ11時、代表者の方による発表の時間!
ポスターを貼り出して、一晩かけてグループで考えたサービス内容を思う存分語っていただきましたよ。

全て細かくはお伝えできないのが残念ですが、斬新で素敵なアイデアが出揃ったので、写真とともにちょっとだけご紹介します!


1.『そうだ 京都、 住もう。』
京都への移住を検討する人に、京都の暮らしを町家に滞在しながら体験してもらうサービス。京都のことをよく知る不動産屋さんに協力してもらうことで、ただ観光するだけでは見えにくい、京都の土地や人、文化についても深く知りながら移住に向けた体験ができます。

 

2.『宝永湯 in Black』
参加いただいた方の実家が福井県の銭湯ということで、銭湯で一晩中、宇宙に想いを馳せる企画。男湯・女湯に分かれた構造を利用し、女湯では宇宙についての講演、男湯ではコンテンポラリーダンスが楽しめるようにします。単にキラキラした星を眺めるのではなく、何億光年先の宇宙で起こっていることに思いを馳せて「神秘萌え」をしてもらおうという趣旨。真ん中のシュールな絵が気になります。

 

3.『ハンモックナイト@図書館』
京都市内にたくさんある公立・私立の図書館にハンモックを吊るして夜通し過ごせるようにする企画。一人で静かに楽しめるよう、布団やベッドではなくハンモックを採用。さらに恋愛小説好きの人は北区図書館、推理小説好きの人は中央図書館…というようにジャンルで開催場所を分け、告知のフライヤーはどこかに貼り出されるのではなくそのジャンルの本にそっと挟まっているそうです。素敵!

 

4.『Theater in Hostel “24FILMS”』
24時間、コアなファンがいるマイナーな映画やアートフィルムを上映し続ける宿泊施設、theater in hostel “24FILMS”。「映画は、見終わった後に一緒に”共有”できるもの。時間を大切にする人に知ってほしいので、ポスターは本屋や銭湯に貼ろうと思います。場所はあえて工場や倉庫の跡地を使って、大画面で映せるようにしたい。」

 

そしてkumagusukuオーナーの矢津さんとロフトワークスタッフが審査をした結果、
見事1位に選ばれたのがこちらのサービス!

5.『旅する朝ごはん』
メンバーが全国のゲストハウスを巡り、宿泊者と一緒にその土地の朝ごはんを作る企画。
「ごはんをちゃんと食べていなかったり食生活が乱れがちな人に、旅から帰ってからも気軽に作れるレシピを教えてあげたい。前日の夜に料理教室のような形で皆でわいわい仕込んで、一旦解散して眠りにつき、翌日また集まって朝ごはんを食べる。今回のOpenCUでも体験した、その”ちょっとした再会”がとても楽しいなと思った。あと、朝ごはんが作れる男性はきっとモテる!」

 

評価の決め手となったのは、”泊まる×???”のアイデアを、場所や施設を選ばない「ソフト面」で考えたオリジナリティー。「その発想は無かった」とスタッフも目からウロコでした。
なかなか手の込んだ朝ごはんを作るところまで手が回らないことも多いゲストハウス。外部からスタッフが入ることで、運営側も宿泊者も幸せになるのではないでしょうか。やはり朝ごはんが良いと、その日1日が変わりますよね!
また、
・全国各地にあるゲストハウスを繋げる働きを持っているところ
・模造紙を切り抜いて土壁を鳥取砂丘に見立て、さらに青い付箋で海を表現したポスターの斬新さ
なども評価のポイントになりました。

 

どの案も本当に独創的で面白く、審査の際も色んな感想が飛び交いました。
「図書館は、借りた本に案内が挟まっているという、それだけでもうストーリーがある。」
「銭湯はすごく哲学的。人類史上、みんなが求めていたものがここにある気がする。とにかくやってほしい。」など…
スタッフが思いも寄らなかったアイデアで、”泊まる”の可能性の広がりをさらに感じさせてくれました。
ちなみに『旅する朝ごはん』は、鳥取のゲストハウス「たみ」を運営している参加者の方が「第1回をうちでやります!」とのこと。実際に企画会議もされているようで、楽しみにしています!

個性的な参加者の方々に恵まれて多いに盛り上がった、ロフトワーク初の泊まりのOpneCUは以上で終了。
参加してくださった皆さん、ありがとうございました!また次のイベントにご期待ください。

最後はみんなでkumagusukuポーズ。

 

参加者の方がroomie(ルーミー)でもレポートを書いてくださいました!
roomie(ルーミー):http://www.roomie.jp/2015/05/256170/

Flickr:https://www.flickr.com/photos/opencu/sets/72157651326155647/

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