コミュニケーション・ライフログとして食をとらえる『miil』の試み
中村氏は現在、飲食店経営以外の食との関わりとして、「食べること」をもっと楽しくする『miil』というiPhoneアプリをリリースし、現在28,000ダウンロードを突破している(2012年1月20日現在)。アプリを立ち上げると、すぐに美味しそうな料理写真が次から次にフローする。見ていて楽しい。久しぶりに食べることにワクワクしている自分に気づく。

miil撮影した画像(食べ物)にコメントを付けmillユーザー間で共有できる。写真加工機能、コメント機能、ジオロケーション機能に対応。さらにTwitter、Facebook別のソーシャルメディアへの共有もできる。気軽に食のログを記録していき、共有をきっかけにコミュニケーションが生まれる。(現在はiPhoneアプリのみ、Android版は開発中)
「昔は思い出に残したり、表現をしたりするために写真を使うことが多かったが、最近はコミュニケーションそのものになってきています。今、ソーシャルメディアに写真を投稿してメッセージの代わりにすることは日常的なことですよね。毎日、多くの人が自分の食べているものを投稿しています。その状況を見て、“食のライフログを作る”アプリがあったら便利だなと思ったのです」と、その着想を話す。
miilが可能にするのは料理写真のフォトシェアリングである。自分が食べるものを撮影でき、miilを使っているユーザー間ですぐにシェアし、FacebookやTwitterのウォールにも投稿できる。画像の調整機能も搭載されているので、料理の写真をよく撮る人はこのアプリをインストールしておけば、料理用カメラアプリとして使えて便利である。
「英語で“YOU ARE WHAT YOU EAT”と言います。自分がどういう人間かは、食べるものを見れば分かるということです。つまりmiilでは食からその人のライフスタイルも見えてくるんです。例えば、あまり親しくはない人でも、面白い食生活をしていたら親しみが沸くもの。ローマ風カルボナーラって何? すじコンあぶらかす入りのモダン焼きって何?と、料理は注意や共感を引き起こし、人と人をつなぐコミュニケーションツールになります。おまけに、自分のログを見れば、“こんなに肉食べてたのか!”といった気づきになるわけです。」
自分を振り返るツールであり、人とのコミュニケーションとしての食。まったく新しい食と人の繋がりがmiilで可能になるのである。