「経営」ってなんだろう?|クリエイターのための”やさしい”経営講座 Vol.1

13.Nov.2012

「経営」ってなんだろう?|クリエイターのための”やさしい”経営講座 Vol.1

 

「経営」って何?そんな疑問に答えます

みなさんは経営について考えたことがありますか?
すでに会社をつくり活動をしているクリエイターなら、真剣に考える機会は多いかもしれません。しかし、フリーランスで経営について真剣に考えたは少ないと思います。なかには、「自分には関係のないことだ」と考えているひともいるかもしれません。
ですが、たとえ個人で制作をするクリエイターでさえ、「いつか自分のやりたいことを実現したい」と思っているなら、経営の知識を持つことは欠かせないことです。

とはいえ、日々制作に追われるクリエイターにとって、経営の勉強はおろそかになりがち。勉強のチャンスも、あまりありません。そこで、ロフトワークの運営する「知恵と知恵をつなぐWebサービス」OpenCUでは、クリエイターと経営の問題について詳しい弁護士&会計士集団Arts and Lawの方々と共に「クリエイターのためのやさしい経営講座」を開講しました。講座は全部で6回。導入編として、10月24日に第一回目の講座を行いました。25席の会場は日本全国から集まったクリエイターで満席に。

第一回で扱った議題は、

フリー編集者、ディレクターの米田氏が語るフリーランスのサバイバル術

クリエイターの経営の全体像をふかんする

クリエイターの業務フローを整理する

クリエイターの経営ロードマップ-個人事業主編

個人と会社で何が違うのか-組織化のメリット・デメリット-

クリエイターの経営ロードマップ-会社組織編-

事業をスムーズにするための資金調達

と、盛りだくさん。「経営とは何か?」を考えるため、それぞれを概論的に解説していきました。今後の講座では、各議題をさらに深めて講義を行なっていきます。

 

今回は第一回講座の内容から、ほんの一部を抜粋してレポートします!

 

 

独立して気づいた経営の必要性

まずマイクを握ったのはArts and Lawメンバーと親交があり、本講座のプロデュースも務めるフリー編集者、ディレクターの米田智彦氏。2005年に独立し、フリーランスのクリエイターとして活躍しています。フリーランスになったのは突発的な出来事だったそうで、事前に準備をする時間がなかったとのこと。そのため、後になって経営の壁にぶつかりました。その際に、「クリエイターのために経営を教えてくれる授業があったら…」という思いを抱いたそうです。

 

 

 

クリエイターだって経営者なんです!

続いて、公認会計士の山内真理氏がクリエイターの経営について語ってくれました。山内氏いわく、クリエイターの経営で重要なことは、大きく分けて5つにわかれるそう。ここでは、その内の3つを抜粋して紹介します。

事業ビジョン:これは、いつか実現したい未来像といいかえられます。例えば、「映画をとってみたい」や「アートディレクションをしたい」などの制作活動の夢も、この事業ビジョンの中に含まれます。

事業ドメイン: 例えば、イラスト、グラフィックデザイン、建築などの分野から、自分の強みを発揮できる活動領域を見つけることが、事業ドメインといえるそうです。

事業戦略: 自分の制作物をどうやって売っていくか?いくらで売るか?ひとりで作るのか?それともグループで作るのか?作るための資金はどうするか?などの問題が事業戦略に含まれるそうです。

ここまで読むと気づくかもしれませんが、これらのことはクリエイターなら一度は考えたり、悩んだりするものばかり。山内氏いわく、「クリエイターが普段やっていることが、実は経営」なのだそうです。

 

 

この講座の魅力は、会計や経営だけの話題を多面的に扱うことです。例えば、クリエイターの歩む経営ロードマップの内、スタートとセットとなる「前職の退職」について、弁護士の水野 祐氏から法律家としてのアドバイスもありました。

独立が裁判沙汰に?

とあるクリエイターが独立後、会社員時代に付き合いのあった顧客と仕事を始め、勤めていた会社から訴えられたという出来事があったそうです。これは独立前勤務していた会社に「会社の持っている情報を漏らしてはいけない」という規則があり、トラブルに発展しました。このトラブルの要因は、独立したクリエイターが会社員時代に就業規則違反をしてしまったり、退職の理由を説明する際に事実とは違うことをいってしまったところ。
こういったトラブルを避けるには、たとえ独立を目指していても、会社の就業規則を守ったり、退職理由を正直にはなすことが重要なようです。さらに水野氏がポイントとしてあげたのは、「引き継ぎをしっかりやったということをメールや書面によって証拠化しておくこと」。退職後も良い関係を続けられるために、しっかり引継ぎをしたことを客観的に振り返えられるよう気を配りたいところです。
以上のように、1つの話題をそれぞれの専門家が事例を挙げながらアドバイスしていきます。
フリーや独立をまだ考えていなくとも、クリエイターのみなさんの知りたいところをおさえた、「痒いところに手が届く」情報を提供する講座として設計されています。

 

経営の悩み相談会
「クリエイターのための“やさしい”経営講座」では2時間の講義の後、懇親会が開かれます。この懇親会の場では、多くの参加者が講師陣に悩みを相談していました。参加者は経営に問題意識をもつ点で共通しますが、抱える悩みはそれぞれ違います。
二回目以降の講座では、更にふみ込んだ解説をしていきます。経営について悩んでいるクリエイターはもちろん、経営について苦手意識を持っているクリエイターはぜひ講座に参加してみてください!

 

>講座のお申込み

  • Top
  • Ideas
  • 「経営」ってなんだろう?|クリエイターのための”やさしい”経営講座 Vol.1