実店舗型サービス業のサイトは、スマートフォン対応と相性バツグン
では、スマートフォンサイトに向いているサイトは何か? たにぐち氏によれば、それは業種によって差があるのだという。
「一般的に言うと、ニュースコンテンツなどの情報提供サイトは向いていますね。さらには実店舗を持っているタイプのサービスならば、スマートフォンサイトを活用するメリットが大きいですね」
例えば、ショップやカフェ、レストランといった店舗形態のサービスを提供している場合、スマートフォンサイトがあると、前述<スマートフォンだからこそできる機能の例(PCとの比較)参照>のような機能を活用して、集客力をアップさせることができる。
「ただ単純に現在のサイトをスマートフォンに全対応させる考え方ではなくて、スマートフォンだからこそできる機能を使った新しいコンテンツとして作る、という考えの方が良いですね。事実、ユーザーはそういったことを望んでいる場合が多く、PCサイトを完全にスマートフォンサイト化することは非常に難しいですし、意味が無い場合が多いですね。その対応を機能の縮小と考えるのではなくて、スマートフォンのメリットを生かして見せてゆく、という前向きな捉え方が大切です。また、向いているのはサービス業だと言いましたが、それ以外の業種がダメというわけでなく、採り入れることのできる機能・相性が良い機能を選別して、部分対応していけばいいわけです」と、たにぐち氏は助言する。
ポイント4 形だけの全対応ではなく、スマートフォンだからできる機能を使った新しいコンテンツを考える

セレクトショップ「ビームス」のスマートフォンサイト(iPhoneでの表示) PCとコンテンツを共有し、スマートフォンで見やすく表示される。特集的にオススメアイテムを美しい写真と簡潔なテキストで表現する Recommended Items は、オンラインショップへのアクセスもスムーズ。注目すべきは店舗マップ。地域をタップして進んでゆき、 店舗ページまでたどり着くと、Googleマップへのリンクがある。GPS機能を使えばこれで道に迷うことはない。
このような現状から、スマートフォンサイトは、スマートフォンのどの機能を使うかによって大きく全体像が変わってくる。「ただし、スマートフォンは3ヶ月後のトレンドが全く予測できないと言われています」とたにぐち氏が話す通り、毎日さまざまなアプリや機能が生まれている。自らアンテナを張り、普段から情報収集をしておくことは一助になるだろう。制作中に急なトレンドの変化があっても、素早くキャッチアップすることができるはずだ。
以上のように、前編では“どんな形でスマートフォンサイト対応するか?”について考えてみた。後編では、実際の画面設計、動作検証などについてたにぐち氏の実績などを交え聞いていこう。