爆炎の魔神を募集する会社の採用方針
続いて、BHBの採用方針について聞く。サイトには採用情報があり、このような概要が載っている。
果たしてこれで応募が来るのだろうか。そもそもどんな人材を求めているのだろう?
「けっこう来ますね。たとえば“私が爆炎の魔神です!”とかで返事が来るんですけど、そういう場合はお決まりのメールでお返ししています」とシモダ氏。
メールひな形:
このたびはご応募ありがとうございます。ご希望いただいた職種、炎の洞窟の奥に住む爆炎の魔神 かつ やる気のある人についてなのですが、まずは国営の医療機関の医師による魔神であるという診断書の提出、手のひらにドッジボールぐらいの火球を創りだすという証拠映像をご提出ください。
「こう返すともうほとんど返事が来ません。たまに火球を作りだしてる映像作品が返ってくるんですが、残念ながらニセモノの火球なんですよね…本物の魔人じゃないんです」
BHBの社内体制は、少数精鋭。アピールできるポートフォリオ(作品集)がないのはもちろん、ただ”一緒に働きたい”という、入社希望はお断りなのである。現在のメンバーも、すべてオモコロスタッフから集めている。さらにオモコロの人員確保は、スカウトが基本だという。それゆえ、滅多に採用をすることはない。では、なぜ採用情報をサイトに掲載しているのだろう?
「なんとなくですね。一応企業サイトには、採用情報って必要じゃないですか。でも、結果的にこっちが用意したボケに乗っかってくる人は、弊社に入っても幸せにはなれないと思っています。今のメンツについても、やっぱりそこを超えてくる人を採用していますね」
一応とはいえ、シモダ氏はすべての応募に目を通している。思えばシモダ氏がpaperboy&co.に応募したときも、社員募集はしていなかった。シモダ氏はそれを「やった!ライバルがいないぞ」と思って扉を叩いたという。強引に扉を蹴破って入社してくるくらいの、さらにはその蹴破り方がシュールだったりするような、そうしたスタンスをシモダ氏は見ているのかもしれない。