2012年7月13日、OpenCU烏丸で「3Dスキャンでオリジナル妖怪をクリエイト!もののけづくりワークショップ」を開催しました。今話題の3Dスキャンとフリーフォームををつかって作るのは、妖怪こと「もののけ」。妖怪は足+傘、茶釜+狸など組み合わせで出来ているものが多く、3Dスキャンとフリーフォームを体験しながら新しいもののけづくりが楽しめる、と考え今回のワークショップを企画しました。
なかなか触れない3D機器を体験できるとあって、多くの人が集まりました。中には車で2時間かけて駆けつけ、親子で参加した方も!
3Dスキャンとフリーフォームを提供いただいたのは、3D技術のコンサルタントも行う、ケイズデザインラボ。前半は3Dテクノロジーを知ろう、とケイズデザインラボ代表取締役社長 原さんより、3Dトップエンジニアの会社がどんな取り組みをしているか紹介がありました。
映画「どろろ」の本物の妖怪!?
3Dスキャンを使って文化財をデジタルスキャンして保存、視覚障害のための触れる絵画づくりへの取り組みなど、社会貢献に3Dテクノロジーが活躍していることは驚きでした。3Dテクスチャーを活かしたiPhoneケースやアーティスト名和晃平氏とJOJOのコラボなど、クリエイティブへの取り組みも非常に興味深い…!
特にインパクトがあったのが、映画「どろろ」の妖怪。映画の大道具として作られた原型を3Dスキャンで読み取り、デジタル化し動きをつけるというもの。このおどろおどろしさ…もののけづくりワークショップのよい参考になります!
かじりかけのパン、キャベツ、ブタ貯金箱、様々なものを持ち寄ってもののけづくりスタート!
後半は4、5人チームに分かれてもののけづくりがスタート。全4チームでいかに妖怪らしいか競い合います。カメラ、トング、食べかけのパン、茶葉の固まりなど持ち込んだものも個性豊か、全くどんな妖怪になるのか想像できません。
▲チームで持ち寄ったものをどうやって組み合わせるか相談中
▲妖怪のコンセプト、形が決まったらフリーフォームで融合
妖怪融合担当はケイズデザインラボの選任スタッフ。スキャンできなかったものはその場で作ってしまうほどのプロテクニックに、参加者からは感嘆の声もあがるほど。
そして、誕生した妖怪が4体。
▲チームい 「菌床!サンマッシュ」
・キノコ狩りにきた人間に対し、耳(羽?)を広げて威嚇
・三脚の足をぐねぐね動かしながら高速移動
・頭の後ろから胞子をまいて、増殖する
素材:キャベツ、椎茸、鬼型のおちょこ、三脚
▲チーム ろ「アメリカ帰り トニー」
・ジャグジーとサーフィンが趣味
・日本酒は剣菱が好き
・必殺技は火をふく
・クルーザーやフェリーの免許をもつ
素材:トニーの顔、足素材、手素材
▲チームは 「千本トング」(当初手の部分がトングになる予定だったため)
・夜中に台所でカシャカシャとトングの音を立てながら動いている
・いい妖怪
素材:カバ、手素材、ブタ貯金箱
▲チーム に 「かじられ妖怪 あっぱれ」
・通行人に頭を差し出して「かじって〜」と言い寄ってくる
・かじってもらえると茶葉を出してくる
・常に「あっぱれー」と踊っている
素材:一口かじった食パン、中国茶葉、ハット、足素材、手素材
完成した妖怪に、審査員原さんも思わず「近づきたくない…!」
「画面でも近づきたくない。短時間でコレだけの発想が生まれるのはすごい…!」と4体の妖怪を絶賛した審査員の原さん。
4体の妖怪の中で優勝したのは「夢に出そうなぐらい怖い…」という理由で「菌床!サンマッシュ」に決定!!繁殖方法、動きまで事細かいコンセプトが優勝の秘訣かもしれません。「4体の妖怪を3Dプリンターで出力し、参加者全員にプレゼントします。」との原さんからのサプライズに、会場は大盛り上がり。
時間や素材の関係でスキャンできないアイテムもありましたが、終止笑い声が耐えなかった今回のワークショップ。3Dの世界は、自分の想像を超えたクリエイティブを生み出せる、このワクワクに病み付きになりそうなイベントになりました。
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