人間の欲求にリーチするクリエイティブ  株式会社ピクルス・タナカミノル氏インタビュー

tanaka_1000

04.Jan.2011

生き残るクリエイターは、セルフ・ブランディングが上手い

 

「エコッツェリア ウィンドウ」
2007年6月 コンテンツ企画、デザイン、FLASH実装

Client:[Earth Literacy Program /株式会社 プロジェクト・タオス]
Production:[Earth Literacy Program / 株式会社 プロジェクト・タオス]、株式会社 クスール、株式会社 ピクルス、有限会社 ツムジテクノロジー、ホクサイグラフィックス

ピクルスの制作事例は実に多岐に渡る。この“エコッツェリア ウィンドウ”は、映像によるインスタレーション広告のようなものだ。Webサイトから屋外の広告まで手掛けるクリエイティブの振れ幅は広い。ここで、タナカさんに「セルフ・ブランディング」をキーワードに仕事について解説していただいた。

「会社勤めの人もそうですけれど、フリーランスでやろうと思っている人は特に、“セルフ・ブランディング”を絶対やってほしいですね。仕事の量が10あったら必ず1くらいの割合はやっておきたいです。ブログでいいからやったほうがいいと思うんです。僕の場合だと、制作実績をフリーランスの頃からずっとブログで紹介してきましたし、今もWebサイト上に常に紹介をしています。雑誌やメディア等で知名度を上げるのも意識してきました。

参考になりますが、『.fla Idea of FLASH Creation』という本では、共著の人を自分で探してきて、編集にもコミットしました。この本では、自分の作品に対してスクリプトをどう作っているかを解説しています。技術本でありながらクリエイティブにフォーカスした書き方でもあるので、僕のことを知ってもらえて、作品のポートフォリオにもなりました。こうゆう働きかけをすることが、セルフ・ブランディングとして役に立つと思ってます。」

常に自分のアクションを可視化していくことで、仕事の依頼も多くなり、仕事をこなせばこなすほど、幅が広がってゆくという共鳴を起こすことができるのだ。

 

タナカさんも執筆参加したFLASHの教則本「.fla Idea of FLASH Creation」(エクスメディア)。 鹿倉 公維, セトウ ナオ,深津 貴之, さうなまんと、当時、気鋭のクリエイターが作品を 提供しながら解説を行うスタイルでヒットとなった。

「トップデザイナー約250名の作品が掲載されて、年刊で出ている『エムディエヌ デザイナーズファイル(エムディエヌコーポレーション)』という本があるんです。編集の人はあまり気にせずに作っていますが、クリエイター側からしたら冷や冷やものですよね(笑) 常に”来年自分が消えたらどうしよう!?”って思いますから。常に新しいことをやり続けていかないと、切られちゃうものですからね。そして、自分のブランドをどういう風にしようかなと考えて実行することも大切ですよね。

とにかく僕の場合は、“かっこいい”は無理だと思ったんですよ。もともと広告で面白がってもらえるものをやっていたので、かっこいいアートワークとかディレクションを行うのは向かないと思ったんです。そこで、広告面での文脈も分かっているクリエイターになろうと思ったんですよね。

なので、コピーが必要なときは自分で書いたりもしていまし。面白く、そしてマルチであるということで、他のクリエイターさんとの差別化ができるんじゃないかと思ってきましたね」

常に同じ地位に留まるためには、せめぎ合っている周囲を越える速度で自分もレベルアップしていかなくてはならない。クリエイターは常に自分の強みを知り、新しい挑戦をしていかなければならないのだ。

 

 

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